GMは、燃料電池技術こそ『21世紀に走る自動車の動力源の主流になる』と考えています。水素を使い走行し、かつエネルギー効率に優れた燃料電池自動車は、社会全体が求める環境の実現に向けた、将来最も有望な輸送機器の選択肢です。
現在、世界の石油生産量の約半分が自動車によって消費されています。国連は、2030年までに現在約8億台ある世界の自動車保有台数が、さらに倍増すると予測しています。 今日、緊急課題となっている世界的な二酸化炭素(CO2)排出量削減問題でも、自動車によって発生する二酸化炭素排出量を大幅に削減することが求められています。
石油燃料をこのまま使い続ければ、いつかは枯渇してしまいます。こうした状況を避けるためにも、安定供給が可能なエネルギー源を早急に実用化しなければなりません。
石油燃料に代わるエネルギー源として既に多くのものが存在しますが、「長期にわたり安定して供給でき、実用性も高い」という条件下では、燃料電池が新しいエネルギー源に相応しいとGMは考えました。
燃料電池は、水素と大気中の酸素を化学反応させることにより電気を発生します。燃料電池自動車は、燃料電池によって発生した電気を利用し、モーターを駆動することにより走行します。
純水素を燃料とした場合には、走行時に排出される物質は水だけです。
加えて、燃料となる水素は様々な原料から抽出可能という特徴を備えています。
水からも抽出することも可能です。
植物やバイオマス等の再生可能資源から抽出した場合には、クリーンかつ、資源が事実上無尽蔵であるなど、環境面における効用も大きいのが特徴です。
一方、石油、天然ガス、石炭等からも抽出できます。
この場合には現在の供給インフラを利用できるという利便性がある反面、環境に対する効用が限定的となるほか、将来枯渇が避けられない石油資源の有効利用という点でも、理想的とは言い難いものとなります。
GMは、商品力、経済性、そしてインフラが完全に整って初めて燃料電池自動車が広範な顧客層に受け入れられると考えています。 燃料電池そのものに関わる技術的課題の他に、燃料電池自動車の実用化に際して大きなハードルのひとつとして、現在の石油経済社会では、水素供給インフラが整っていないという事実が挙げられます。 現状では、水素をどこで、どのような資源から生成・供給するかにより、必要となる費用とエネルギーとが異なってきます。 水素供給インフラの発展、石油経済から水素経済への移行には、まだ何年もの歳月を要します。 従って、燃料電池をはじめとする水素技術を市場導入するまでの過渡的な解決策が必要となります。
石油経済から水素経済への移行というのは一夜にしてなされることではありませんが、GMは既にその方向に向かって着実に進んでいます。
短期間でみれば、既存の車における燃費の向上や排出ガス削減に向け、「ディスプレイスメント・オン・デマンド」やクリーンディーゼル、天然ガス、ハイブリッドといった戦略にも積極的に取り組んでいます。
燃料電池に水素を使用することで、エネルギー供給原料の多様化が促進されます。 水素燃料電池により、温室効果ガスの排出も相当量削減することができます。 「採掘から消費まで(well-to-wheel)」の視点で燃料電池自動車を考えた場合、現段階での水素の生成方法を考慮に入れても、温室効果ガスの排出を削減またはゼロにし、全体的なエネルギー効率を改善できるすばらしい潜在能力を持っています。 将来的に再生可能なエネルギー源による水素の生成が可能となれば、環境に対する悪影響を与えることがありません。 燃料電池は電力源としても潜在的な可能性を持っています。 また、今までとは大きく異なる新しい車両デザインも可能になるでしょう。
