Activities on the Environment 環境への取り組み

GMの考えるエネルギーと環境対応向け自動車の電動化

GMの燃料電池自動車について

図1:1966年の GM Electrovan 燃料電池自動車
GMは、1960代から燃料電池自動車の研究を行ってきました (図1)。

図2:GMが市場化テストに向けて百十数台造ったシボレー・エクイノックスFC
現在、GMでは、燃料電池(FC)スタックの自社開発を進めると同時に、シボレー・エクイノックスFOの燃料電池車を百数十台製造し、北米では、プロジェクト・ドライブウェイ市場化テストという一般や著名人を対象とした世界最大規模の実証試験を展開し、また、欧州やアジア地域でも実証試験を行っています(図2)。

図3:GMとスズキ自動車で共同開発したスズキ SX4-FCV

また、シボレー・エクイノックスの燃料電池技術を使用したスズキ自動車との共同プロジェクトでは、SX4-FCVが開発され、2008年洞爺湖サミットへの参加や実証試験等の活動を行ってきました(図3)。

図4:GM/SAIC 上海FCV

更に、エクイノックスの燃料電池駆動システムを応用し、中国上海汽車との共同プロジェクトとして、Roewe750をベースとした車両“上海FCV”を開発し、2010年上海万博で運用されました(図4)。


市場化に向けた取り組み

日本の燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)の普及シナリオにもあるように、2015年に向け、インフラ整備と車両の導入を進める動きがありますが、同様に、ドイツにおいてもGMを含む主要自動車会社が「燃料電池車の開発および市場導入に関する基本合意書」に署名し、2015年までに水素供給インフラの整備を要望し、商用化への動きを促進させています。

こうした2015年に向けてをテーマとした動きは、他の国々への波及も想定され、自動車会社にとっては、普及を前提とした車両、内燃機関車同等の商品性や価格を持った車両の適時投入が責務です。 以下、実現に向けての重要な燃料電池および水素貯蔵についての取り組みを説明します。



次世代燃料電池の開発

図5:左が現行のエクイノックスの燃料電池駆動システム、右が次世代の燃料電池駆動システム 上記の役割のため、GMでは、以下のような目標を掲げ、次世代燃料電池の開発を行っています(図5と6)。

  • 2015年頃に市場導入
  • 10年間の商品寿命
  • 多様な車種に搭載できるよう小型化
  • コストの大幅な低減

以下、これらの目標の実現に向けての課題とその見通しについて説明します。

図6:現行シボレー・エクイノックスFCと次世代2015年頃向けのシステムの緒元の比較

燃料電池の耐久性

エクイノックスに搭載されている燃料電池の耐久性は5万キロ(3万マイル強)の実績がありますが、走行試験中で、14万キロ(8万マイル)の耐久性が確認され、2015年時点の量産を目指した物は10年間20万キロの技術的目処が立っています(図7)。

図7:GMの燃料電池の耐久性の進化

図8:次世代の燃料電池システムが小型化され、搭載可能な車種が増える

燃料電池の小型化


設計の統合と簡略化を進め、コスト低減と同時に小型化を図り、従来、SUV等の比較的ボンネットの高い車種にのみ搭載が可能でしたが、小型化により、性能犠牲や車台の大変更をせずに、セダン等を含めた車種への燃料電池システムの搭載が可能となります(図8)。


燃料電池システムのコスト低減

コストについては、システムの統合、部品の廃止や量産を考慮に入れた設計などにより、重量や部品点数が半減します。 白金の使用量を台あたり80gから30gに低減することで、現行より大幅なコスト低減を目指します。 また、2015年以降も白金を台あたり10g以下、膜のコスト低減、新しいセルと膜を統合する設計による生産性の向上、低ニッケル成分ステンレス鋼やコーティングの簡略化や廃止したセパレータ等の採用を検討し、継続的に低減努力していきます(図9)。

図9:GMの燃料電池システムのコスト低減

白金を白金合金に替えることで低減し、更に、ナノ粒子の核に別の安価な材料を使うことで更に使用量を低減します(図10)。

図10:白金の低減のロードマップ

水素貯蔵

燃料貯蔵、充填に関して、普及を前提にした車両や内燃機関車と同等の充填時間実現のためにしていくためには、70MPa、タイプⅣタンク、プレクール充填、通信充填が必須であると考え、インフラ整備に向けて推進していきたいと考えています。


充填圧力70MPa

70MPaを使う際、水素を圧縮するエネルギーは35MPaと比較しても10%ほど多いだけです。これは、低い圧力の時に必要であるためです。 一方、70MPaを使うことで水素の貯蔵量が55%も増加するため、車両の限られたスペースを有効活用し、航続距離を得るには、水素の貯蔵には70MPaが有効と判断されます(図11)。

図11:圧力70MPaと35MPaで水素貯蔵量の比較

図12:タイプIIIとタイプIVのタンクの比較

タイプIVのタンク


現在使われている金属ライナーのタイプIIIとプラスチックライナーのタイプIVの2つがありますが、両者の比較では、タイプIVが20%ほど軽量、長期の疲労耐久性、カーボンファイバに起因するコストの点で有利と考えます。 図12に現在と将来的なコスト比較を示します。


図13:2003年、世界初に東京で燃料電池自動車が商業的に使われました

GMの日本における燃料電池の取り組み


GMは、日本において、2003-2011年まで行われてきた水素燃料電池実証プロジェクトJHFC(水素・燃料電池実証プロジェクト)に参加してきました。 その間、FEDEX社が世界初の燃料電池自動車の商業的な使用で、東京で郵便の配達を行っていました(図13)。 その為、GMは、日本での燃料電池自動車での初の緑ナンバーを取得しました。さらに、GMの水素貯蔵システムは、日本で初の70MPaの認可を得ました。 現在、GMは、燃料電池実用化推進協議会(FCCJ)において、理事会社として参加しています。

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