Activities on the Environment 環境への取り組み

GMの環境技術

GMにおける燃料電池自動車の研究開発

新たな可能性

「GMはオートノミーにより、当社の燃料電池自動車開発に関する一定の方向性を示しました。 そして今後は、ハイ・ワイヤーにより、機能面の実証と信頼性とを大幅に高めることで、量産型の燃料電池自動車の実現を一日でも早めたいと考えています。 当社は、市場から注目を浴び、且つ低価格な燃料電池自動車の市販が2010年までに実現できるよう努力しています。 ハイ・ワイヤーでは、バイ・ワイヤー技術を搭載すると共に、実走行が可能で、既存の高級自動車と比べても、サイズ、重量の面で遜色が無く、しかも、革新的なパッケージングとなるよう努めました」
(GM研究開発・企画担当副社長、ラリー・バーンズ)

「AUTOnomy」オートノミー

既存の量産車をベースに燃料電池技術を組み合わせた一連のハイドロジェン・プロトタイプで、燃料電池自動車の開発においてリーダーシップを発揮してきたGMは、2001年1月のデトロイト・モーターショーにおいて、これまでの自動車の常識を覆す革新的なコンセプトに基づいて開発された燃料電池コンセプトカー、「AUTOnomy(オートノミー)」を公開しました。

オートノミーは、燃料電池技術を未来の自動車の基本システムとして捉え、その特性を最大限効率的に運用するための、独創的なアーキテクチャーが特徴となっています。 そのひとつが、従来の自動車に存在した機械式のステアリングやブレーキ、その他の車両機能を全て電子制御化した「ドライブ・バイ・ワイヤー」システムです。 車両の操縦は全て手元に集約されたコントロール・ユニットで行い、電気信号によって制御されます。 また、厚さ約15cmのスケートボード状シャシーには、燃料電池スタックをはじめ、水素貯蔵システムや駆動モーターなど、走行に必要な基本構造が集約されており、走行機能をシャシー単体で成立させているのが特徴となっています。

ドライブ・バイ・ワイヤーのコントロール・ユニットは、シャシー中央部の「ドッキング・ポート」と呼ばれる電気式コネクターひとつで接続され、従来の自動車のようにエンジン搭載位置や駆動方式などによって車内レイアウトに制約を受けることがありません。 同一のシャシー上に様々なボディ形状を構築することが可能であり、多種多様な車種を実現することが可能です。

「Hy-wire」ハイ・ワイヤー

2002年9月、GMはオートノミーのコンセプトを基に、実際に走行可能な燃料電池プロトタイプ・カー「Hy-wire(ハイ・ワイヤー)」を発表しました。 ハイ・ワイヤーは、厚さ約28cmのシャシーに水素貯蔵タンクをはじめ、燃料電池スタックなどの主要機構を収め、前輪を駆動して走行します。 燃料電池システムは、既に実績のある、「HydroGen3(ハイドロジェン・スリー)」と同一のものを搭載しています。 この燃料電池スタックの大きさはタワー型PCとほぼ同じで、直列に接続された200個の燃料電池によって構成され、定格出力94kW、最高出力129kWを発揮します。 前輪を駆動する三相モーターは、最高出力60kW、最大トルク215Nm、最高回転数は12,000rpmです。 このモーターは8.67:1のギア比を持つシングル・ステージ型遊星ギアを介して前輪を駆動します。 燃料電池の作動に必要な水素は、スケートボード型シャシー中央部に搭載された水素タンクから供給します。 このタンク・ユニットは3本の円柱状貯蔵タンクによって構成されており、炭素系複合材を使用した結果、総重量はわずか75kgに過ぎません。

ハイ・ワイヤーの操縦は「ドライブ・バイ・ワイヤー」システムで行います。アクセル、ブレーキ、ステアリング機能の操作には電気信号が使用され、従来の機械式あるいは油圧式リンケージは不要となっています。 これらすべての主要制御機能は単一のバイ・ワイヤー・システムに統合され、「X-ドライブ」と呼ばれるフレキシブルな手動制御ユニットに統合・一体化されています。

ドライブ・バイ・ワイヤー・システムは、従来のハンドル操作による機械的な操舵に替えて、ドライバーからのコマンドを電気信号に置き換え、この信号を受信したセンサーが、さらに小型電気制御モーターに信号を伝え、ステアリング・ラックを回転させて操舵を行います。 このように、シャシーとの間に機械的な接続を必要とせず、ドッキング・ポートで電気的に接続されるドライブ・バイ・ワイヤー・システムは、デザイン上の自由度を高めるほか、安全性も向上させます。 さらに、機械式および油圧式リンケージが必要ないため、稼動部品点数の削減と軽量化を実現し、メンテナンス性の向上も可能となります。 また、各種油圧制御用フルードが不要となることから、環境にも優しいという特徴を備えています。

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